幅広い支援活動に取り組む
オイスカ茨城推進協議会は、長年にわたってネグロス島の
子ども達の支援活動を行ってきました。
1978年10月にオイスカ茨城支局が発足し、初代会長に村井亮一氏が就任しました。当時オイスカバゴ研修センターが国内のオイスカグループに支援の要請をしていた保育所建設に協力することとし、1987年からネグロス島への本格的な支援活動がスタートしました。翌年8月にはバゴ市タブナン部落に第一棟目の保育所が完成し、多くの子供たちや部落の人々が集い、精一杯のお祝いの行事を行ってくれました。
以来、茨城支局は、恵まれない環境の中で暮らす子ども達に少しでもより良い教育が与えられることを願い、島の子ども達の支援に取り組んできました。物やお金を送るだけではなく、一緒に汗を流す協力として島のあちこちでマングローブやマホガニーの植林も実施しました。2007年には20棟目の保育所が完成し、全保育所の先生と園児が勢揃いした記念式典は、継続した活動による成果の大きさを表すものでした。
届けた楽器を使って毎年バゴ市のコロシアムで開催される茨城コンサートは、「IBRAKI」という名前が広く島の人々に浸透し、20周年記念コンサートの映像はインターネットで世界に発信されました。これまでに届けた鍵盤ハーモニカやリコーダー、タンバリンなどの楽器は、これからも多くの子ども達の教育に役立ってくれることと思います。学校に届けた平和の鐘は、これからも多くの子ども達に平和の大切さを伝え、近隣の人々に時を知らせてくれています。
バゴ研修センターの隣接地に、マル英商事様からの寄付金に加え全国のオイスカ会員から寄付をいただき、日比青年交流センターが2009年に完成しました。また、同社の協力により武道場を建設することができ、島の青少年達に剣道を教えることができるようになりました。講道館7段の仮屋茂先生の協力が得られたことは、柔道の普及という新たな支援活動の方向性を与えてくれました。現地の指導者を育成するため、大学生などを日本に招き剣道及び柔道の稽古をしてもらいました。日本で研修した青年達が、今生き生きと島の子ども達の指導に当たってくれています。
これまで取り組みを振り返ると、常にオイスカバゴ研修センターを通してネグロス島の人々のニーズを理解し、それに応えることを目的に活動を進めてきました。同センターの協力をいただいて様々な活動を続けてこられたことに感謝いたします。今後とも、皆様と力を合わせてネグロス島の人々の教育や暮らしの向上に協力して行きたいと思います。
主な支援活動197
・設立当初は、アジア・太平洋地域の農業研修生の受け入れ、ホームスティの受託や国際理解を深めるためのセミナーなどを実 施。
・1986年からフィリピン・ネグロス島に対して、保育所の建設や楽器・文房具の提供、マングローブの植林など本格的な支援活動を始め、今年で31年目を迎える。これまでに茨城県青年のつばさ事業や茨城若者塾事業など青少年の体験活動をネグロス島で実施してきた。毎年8月に体験ツアーを実施し、ネグロス島を訪問している。
・2016年にはスリランカにおける小学校建設に協力し、これを契機にスリランカへ楽器や文房具などを送る支援活動をスタートした。
①保育所の建設
1987年に第一棟目の保育所が完成。これまでに26棟を整備。
②マングローブの植林
毎年地元の小学生や中学生と一緒に、海岸でのマングローブの植林あるいは山でのマホガニーの植林を実施。
③楽器や文房具などの提供
学校や家庭で使われなくなった楽器や文房具、剣道具、柔道着、サッカーボールなどを提供してもらい、ネグロス島の子ども達に届けている。
④茨城コンサートの開催
茨城から届いた楽器を使って、毎年「茨城コンサート」という名称で音楽会が開催され、2018年で20回目となる。バゴ市の一大行事となる。
⑤平和の鐘の提供
学校の授業の始まりや終わりの合図に使うための鐘を学校に毎年提供している。これまでに130個を超える鐘を提供した。
⑥日比青年交流センターの建設、運営
日本とフィリピンの青少年の交流を目的に2009年完成。25名程度の宿泊が可能。青少年の宿泊施設、日本語学校の教室などにも利用している。
⑦武道場の建設、運営
剣道の公式試合ができる武道場を2010年に建設。剣道の稽古やスポーツレクリエーション活動、各種公式行事の会場としても利用。
⑧陸上競技場の整備
2015年に400メートルのトラックを備えた陸上競技場が完成。地域のスポーツ行事に利用している。
⑨柔道の指導
2016年にバゴ市立大学で柔道指導を開始。畳を送る。他の大学等へも普及。

武道場を整備し剣道の指導

ネグロス柔道指導

年々強まるバゴ市立大学との連携

20周年を迎える茨城コンサート